23歳。私はリストの弟子になろうと思いました。イエス様よりも、詩や作曲を愛していることに苦しみ、詩をやめました。15歳頃から書いたたくさんの楽譜を、お風呂でもやしました。
ある日、母と兄の前に手をついて、「私は、キリストの弟子になります」といいました。「この、キチガイが」と言って、兄に叩かれました。47歳で私を生んだ母は、泣くばかりでした。私は、家出して、故郷を捨てました。しかし、まだ捨てきれぬ、みずからの罪の重荷を負ったままです。私は、なおも迷い、苦しみ、悩みながら、青春の日々をさまようのです。「わたしのもとに来なさい」と言う御声の、聞こえる日まで。
自分の十字架を負ってわたしについて来ない者は、わたしの弟子になることは出来ません。
〔ルカ福音書14章27節〕
〔金田福一著 霊想の糧より〕